麻布競馬場『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』を読み始めたんですけど、まじで最高なので全人類読んで心をめった刺しにされてください。
全部で22個の物語が入ったショートストーリー集なのに、1話目の「3年4組のみんなへ」を読んだ段階で感想を書きたくなってしまったのでそれに対してのみ書きます。短編集の1話にだけフォーカスした感想文。狂気の熱量。
ちなみにこの1話目「3年4組のみんなへ」は試し読みとしてインターネット上に公開されているので、興味がある人はぜひ。4500字くらいなのでさくっと読めます。
→早稲田卒の教師が卒業式の日に語った自分自身の「あまりに惨めな人生の話」とは?【麻布競馬場 新刊試し読み】
「3年4組のみんなへ」感想
私は東京の端っこで生まれたのだけれど、それはとても運が良いことだったのかもしれないな、と思った。
もし自分が東京都に生まれていなかったら、東京の大学に進学したことを自分の努力の結果だと思ってしまっていただろう。自分で自分の道を切り開いたのだと錯覚してしまっていた気がする。東京都心より学習環境が悪い中、自分の意志で努力して、自分の力で地元から東京に出てきたのだと勘違いしてしまっただろう。
そしてその結果、この教師と同様に、自分のことを「特別な存在」だと思い込んでしまっていた気がする。
そういう意味で、私が東京の端っこに生まれたことは、自分は「特別な存在」だと勘違いせずに済むという点で恵まれていたな、と感じた。
……。
…………。
………………。
嘘で~~~~~す。
自分を守るために大嘘を書いてしまいました。すみません。
本当のことをいうと、東京の端っこで生まれた今の私にも、自分を「特別な存在」視するような部分があるよ~~~~。それも大いに。バリバリと。
地元の中学から一番良い大学に行ったのは間違いなくおれ。
生涯年収がもっとも高いのもおそらくおれ。
どう考えてもいちばん成功していて、今後も成功し続ける「特別な存在」こと、おれ。
「自己肯定感が高い」といえば聞こえはいい。
けれど、このお話的にいうならば、ありえないほどに「性格が悪い」。これに尽きる。
どうすればいいんですかおれは。
主人公である先生は早稲田で、丸の内に就職して、性格が悪くて、心を病んで退職した。
僕は上智で、都内某所に就職して、性格が極めて悪い。
十分すぎるリーチがかかっている。メンタルブレイクと退職のダブルリーチ。将来が怖いよ~~~。
どうすればいいんですかおれは。
それに最後、この話の主人公は教員免許を持っていたから再就職できているけど、僕はなにも持っていない。
僕は先生になれない。自分の失敗を誰かに教えとして伝えることもできない。
……。
漢検準2級でどうにかなりませんか。
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