山田彩子には美味しいケーキとか実家のクリームパンを好きなだけ食べてほっぺたいっぱいに生クリームを頬張りながらにこにこしていてほしい【かげきしょうじょ!!】

アニメ/漫画

「歌劇」についてまったく知らないし、「宝塚」にも一回も行ったことない。
そんな状態の俺がアニメ『かげきしょうじょ‼』を観た感想がこれ。

「山田彩子、幸せになってくれ……」

ほまに山田が良すぎる。好きになってしまうだろこんなの。

歌が上手いという一点でのみ評価された彼女。
お家柄は普通。運動神経は悪い。成績も悪い。周りのビジュアルが良すぎて作品内でビジュアルを褒められる描写もない。ただ歌が上手いという一点で合格した彼女。

最初はおっとり脇役モブ?って感じでみてた昔の俺をぶん殴りたい。

周りは家柄エリート、ビジュ優勝の元アイドル、天性の運動神経Lv.100。こんなバケモンどもに毎日囲まれていては歌劇生としての自信を失ってしまうのも無理はない。庇護欲が溢れて土砂崩れ警報が発令中。

そんな彼女だが、ダンス担当の橘先生から「デブじゃ紅華歌劇団に残れない」と言われてしまう。デブて。職員室の先生同士の会話では「将来アンチ耐性をつけるために強めに言うことも必要」とか抜かしているが……。アンチに言われるのと先生に言われるのじゃ火力が違うんじゃないですかね……。

また同時に、成績も主人公のさらさに抜かされて学年最下位になってしまう。泣きっ面に蜂。

しかし一転、第5話でいきなり5kgも痩せる。

よくがんばった! と言いたいところだが、その理由は「嘔吐」であることが明かされる。

特に印象的だったのが喉に指を突っ込んで嘔吐するシーン。

うまく吐けなくなってきた。デブじゃ紅華歌劇団に残れない……

おい橘ァ! お前めちゃくちゃトラウマ植え付けてんじゃねーか!

このような無理なダイエットがたたり、山田は授業中に倒れてしまう。

病院から帰り、部屋でメンタルやられている山田のもとに、声楽のおっさんがやってきて、部屋の外から山田の持っている歌の才能のすばらしさを訴える。このおっさんが歌劇団唯一の良心。小野寺先生だけが山田彩子にめちゃくちゃ優しくしてくれるんですけど、俺が山田に伝えたいことを全部代わりに伝えてくれる。彼は俺です。

そして、第12話でまた山田がフォーカスされる。ありがとう。

まずは回想シーンから。

山田の高校時代、バカ可愛い。こんなの天使じゃん。「誰からも好かれて、暖かいオーラが出ている」わかる。そして仲の良い女友達、矢野さんからの告白。当時はそれが告白だとも気が付かないところも、素直で可愛くて良いところでありながら、観ているこちら側は矢野さんに感情移入して苦しくなってしまうな。山田と矢野さんの二人が結ばれてハッピーに暮らすスピンオフとか出す予定はありませんか?

そして目の前の現実に戻って来た山田。過去の矢野さんからの想いに気づき、言葉を紡ぐ。

きっと誰かがみてくれている

見つけて欲しい。私を

ここから最高の歌唱。囁くようなピアニッシモから始まり、軽やかな旋律から、豊かで広がりのある歌唱へと広がっていく。耳が暖かさに包まれる。なにもなかった野原に煌めきが芽吹き、甘く爽やかに香る風とともに草花が咲き誇っていく感覚。小さな川のほとりには小鹿がいる。こちらをみてお辞儀をしたような気がした。

小野寺先生が心の中で「私の眼は間違っていなかった……!」と言った瞬間、私は彼と一緒に抱き合っておいおい泣いた。翌日も仕事だったが、そんなことは気にせずに朝まで飲み明かした。

山田彩子、幸せになってくれ。どうか学費を俺に負担させてください。美味しいケーキとか実家のクリームパンとか好きなだけ食べてほっぺたいっぱいに生クリームを頬張りながらずっとにこにこしていてほしい。

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