料理を学んで、青春を味わう。【日々は過ぎれど飯うまし】

アニメ/漫画/映画

はじめは”ゆるふわ日常系ごはんアニメ“だと思っていました。

……あながち間違ってません。

でもこのアニメ、ずっと観ていられるうえに、見方によってもっと面白くなるというか。
単にゆるふわごはんの物語として観るのはもったいないとも思いました。なので、

日々は過ぎれど飯うまし』を”大学リプレイアニメ“として紹介&感想を書かせてください。


陰キャ大学生のリアルさ
主人公の河合まこは、わりと陰キャ寄りの大学1年生。
第一話のモノローグでは、

大きくなるにつれて、新しいことに挑戦するのが怖くなって、深い人間関係も築かず、淡々と現状維持の生活を送っている

……なんだか、もうシンパシーを感じざるをえない。
その現状に問題意識を持って、大学で打破しようと考えたところまで含めて。

人と話すたび毎回これ

ちなみに、通っている大学はどう見ても都立大がモチーフ。
国公立ということは、ちゃんと共通テストを受けたのだろう。えらい!
なお、都立大の法学部は英数国の三科目で出願できるので、私立文系志望の人も余裕があれば受けてみると良い(学歴厨)

都立大のある南大沢と、八王子・高尾周辺がモチーフとしてよく出てくる

【ドイツ語】
まこ、結構しっかりとドイツ語の講義を取っていそうな描写がある。
陰キャはドイツ語に集まる習性がある。

思想のつよい例文

ドイツ語アレルギーなので問題映すのやめてください……。

友人のななにドイツ語を教えてもらっている場面もある。
うわ、ちゃんと定冠詞/不定冠詞の問題とzu不定詞の問題を解いてる……。

「ポイント! 分離動詞の場合は前綴り+zu+動詞本体になるよ!」だって。
いいな~~!! 僕もこんなかわいい子にドイツ語を教えてもらいたかったな~~~!!(カス)


【サークル設立】
サークル設立というのは基本的に2年生以上が立ち上げることが多いと思うが、彼女たちは入学後すぐにサークル設立をしている。
僕も大学入ってすぐにサークル設立をしたため、ここでもシンパシーを感じた。

サークル設立って結構めんどくさいんですよ。ほんとに。
意義のある活動内容記入、担当者講習、よくわからない新設団体向けルール、定期報告書、早すぎるサークル設立締切日……ほんとにサークル活動させる気ある?

サークル設立あるある:サークルだけど〇〇部って名前にしちゃう

【よみがえる思い出】
陰キャ性・ドイツ語・サークル設立。よみがえる思い出はそれだけではない。

第3話・高尾山回では、恋人と登ってまこたちと同じお店で八王子ラーメンを食べた記憶を思い出した。
第5話・免許取得回では、夏に友人と行った免許合宿での記憶を思い出した。
第6話・南大沢アウトレット回では、毎年家族で年明け福袋を買いに行っていた記憶を思い出した。
第9話・学園祭回では、体育館を借りて参加型ディベートイベントをやった記憶を思い出した。イラストサークルのほうではイラスト本100部刷って全部売りきれた記憶を思い出した。

友人の車で「さわやか」のハンバーグを食べに行った記憶がある人は多そう。僕はないけど

彼女たちのサークル活動を観ながら、私は自分自身の大学生活を振り返っていた。

なかでも第9話、学園祭が終わったあとのやりとりが印象に残っている。

なな「でもなんかさみしいよぉ、私たちのお店が跡形もなく

ななの言うことがよくわかる。楽しさのあとにはいつもちょっとさみしさが残る。
でも、こうして数年経って振り返ると、さみしさはそのまま残っているんだけど、そのさみしさの輪郭からゆっくりと滲むように愛おしさが広がっている気がする。

まこ「うん。でもこのさみしさ、嫌いじゃないかも

この「愛おしいさみしさ」が、丁寧に描かれている。

学園祭ではりきりすぎてるこんな感じのサークル、毎年居た

【大学生活、ごちそうさまでした!!】
『日々は過ぎれど飯うまし』は、たしかに”ゆるふわ日常系ごはんアニメ”だ。
けれど僕にとっては、それ以上に“大学生活リプレイアニメ”でもあった。

彼女らの大学生活は、いわゆる普通の大学生活に近いと思う。
物語として、激闘もなければ、大どんでん返しもない。

でも、だからこそ、このアニメをみた人がそれぞれの大学生活に思いを馳せ、大切な記憶を振り返ることができるのだろう。

講義、サークル活動、学園祭、免許取得、友人とのごはん。
淡々とした日常こそが、いつのまにか大切な思い出になっている。
なんてことのない今日もまた、いつの日か幸せの記憶になるのだろう。

――日々は過ぎれど飯うまし


【リンク】
TVアニメ『日々は過ぎれど飯うまし』公式サイト
TVアニメ『日々は過ぎれど飯うまし』公式Twitter

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