とても良いアニメだったので感想(内的独白)を。
はじめに
まずはじめに、タイトルが良い。
『ざつ旅 -That’s Journey-』。雑な旅でざつ旅。That’s Journeyでざつ旅。ふふ。
この温度感。これが通る編集部は居心地が良さそう、知らんけど。
あとこれは途中から感じてて、最後まで見てやっぱり思ったことだけど、構成がとても綺麗。
でもはじめに書いてもなんのことやらって感じなので、構成の話は最後にちょこっとだけ書こうかな。
以下は、僕が観てたときのリアルタイム感想/内的独白です。
見返すと、徐々にこのアニメが好きになっていっている様子が伺えて面白い。
そして思ったこと全部出力していたら、結構な量になってしまった。
第1旅 はじめの1225段
「漫画家×旅」という組み合わせ、良い切り口~。
長い山道、謎の地蔵、どうして山になんて来てしまったのかという後悔、よくわかる。
そして、奥と手前で二列になった本棚、収納ボックス、液タブにクリスタ、Twitterのbio文「漫画を描きます」、FF20/35、Twitterのアンケート機能で行き先を決める、それでバズっちゃったからもう行くしかない……全部がリアルすぎてうける。
一回ネタ系でバズると一生「アンケ旅の人」になりかねない。そういう「〇〇の人」を何人も見てきたので……。
「新幹線はコンセントがある」みたいな情報、普段旅しない情報弱者にとってたすかる~。
駅弁すき。細やかな駅弁の解説もすき。
めちゃくちゃ現実に即して作ってくれているな。
この時点で確実に視聴者に聖地巡礼を快適にさせようと意識している巧さを感じる。
でも会津若松、東京駅から3時間、片道1万かかるらしい。なかなか行かんな~~~。
主人公鈴ヶ森ちか、宿すら予約してないのだいぶ攻めてる、こわ。
予約なしでも朝食付き一泊13,000で泊まれるんだ。ほよ~ん。まあ僕は予約しますが……。
酒カス遭遇イベントに関わらず、そそくさと部屋へ戻る陰キャツイッタラーとして満点の行動。
展開あるかと思ったらないんだ。
旅先カレーに疑問を持ちながらも「まあ人それぞれでいいけど……」と心の中で呟く主人公。わかる。ここで展開あるのかと思ったらここもないんだ。
階段1225段!? 絶対に無理です。ヲタクに過酷な聖地巡礼をさせないでください。
全然景色良くないオチ。
正直そんな気がしてた弱オチだけど、もう劇的展開とか戦闘観るのしんどいおじいちゃん(俺)にはこういうのでいいのかもしれない。むしろ、こういうのがいいのかもしれない。
第2旅 伊達じゃない! きときとふたり旅
松島、黒部宇奈月温泉駅回~!
会津若松で買った赤べこキーホルダーがあるの細かいね。
牡蠣たべた~い、いっそ旅じゃなくて牡蠣食べ放題に行こっかな。
うなぎ丼かと思ったらあなご丼だ。美味しそう。
「バスが小さい」みたいな。「きときとってなに」みたいな。ぬるま湯感。
お刺身とか白エビの天ぷらとかも美味しそうでいいな。一話に二回ご飯の話が出てくるんだ。
日本海そよ~凪~オチ。まさかの二話連続弱オチ。
おじいちゃん(俺)に優しいまるで嚥下食のようなアニメ。
第3旅 そのままのコシで
黒部宇奈月温泉駅の続きから香川へ。
このアニメ、毎回必ずごはんカットがあるな。ホタルイカ釜めし。
後輩ユイちゃん。眼鏡ツインテ最高。だいぶ太めの黒縁フレーム。そして歴史ヲタク。属性過多なヲタクキラー女子だ。
香川にうどん食べに旅行いきたいな~!
ちょっといい話回。主人公は後悔したくないからやるタイプなんだね。
親友はっすーとの関係性と、後輩ユイとの関係性が異なるのが、物語に多層性を与えているな。
第4旅 ふ、ばいざしー
京都回。主人公チカ、師匠ふゆ姉、酒カスのリリちゃんの三人旅。
伏見稲荷大社は修学旅行で行ったな~。懐かしい。一番記憶に残っている。
ふゆ姉、金髪ぼさぼさでライオンみたい。片目隠れ、最高~~!!!
ここで一話の酒カス伏線回収~。
おもかる石も懐かしいな。石持ち上げたときに予想よりも軽く感じれば願いが叶い、重く感じれば叶わないとか、基準が筋力依存すぎるだろ。マッチョイズムか?
主人公は早生まれの大学2年生、19歳らしい。なるほどそれでお酒が飲めない。
大学2年生、京都旅行、うっ頭が……
僕は浪人しているので、大学1年生からお酒が飲めた。これは隠れた浪人メリットだったかもな~。
新幹線で呑むの最高だよね~わかる~。免許合宿の行き帰りで呑んだときが良かったな。
ふゆ姉の声が可愛すぎるな、声優さんありがとう。
旅館の横のそのスペース好き、わかりみが深い。
天橋立ね~先輩たちが免許合宿で行ったって言ってたな~。
天橋立も遠いし電車もコンビニもないしで2週間最悪だったらしい。ほまに可哀想でおもろい。
第5旅 カラスと龍と蕎麦と離島
また北でうける。こいつ北にばっかり行ってるな。
宇都宮線ってことは栃木か。親近感がある。友人が栃木からn時間かけてうちの大学通ってるからな。まったく正気の沙汰ではない。
烏山駅の前の滝駅で降りちゃうんだ。突発行動が許されるのは一人旅のいいところだね~。
龍門の滝? 龍門っていうと、アークナイツの都市、龍門(ロンメン)が思い出されるな。
アニメでふるさと会館に寄ってるのうけるよな、ふつうに。
どうくつ酒蔵か、やっぱり成人後の旅は往々にして酒目当てになるよね~。ぽしゃけ、最高~。
田舎の1駅歩くは距離が想像できなくて怖い。
前にユイに石垣について教えてもらったから、ここでも石垣をみちゃうよね。
ざつ旅は、たしかに名所や観光地自体の情報も伝えてくれているけれど、こうやって俺たちに旅の面白さの見つけ方を教えてくれている部分にこのアニメの本質があるのだと思う。ひいては、新しい視点の導入によって楽しく生きられるようになるよねを説いているんだと思う。5話は本質回だ。
加えて、一人旅回でありつつも、人との旅、人との関係性も大事だよねっていうバランス感覚がとても上手だな~と思う。人間が社会的動物であることもちゃんと伝えている。
蕎麦屋。田舎ってどこも行っても大体蕎麦。
ひとり旅の先には、その旅の話を伝えたい人がいるという話。
これ、学校卒業して別の道行っても、これからもたまには会って話したい、みたいな話として自分の中で魔翻訳・独自解釈して受け止めた。なぜなら僕がここ最近そういうことを思っているので。
急な二人旅になったな。しかも船旅。新潟県淡島。
百合ではなく、仲良し。
こういうのでいいんだよ、こういうので。
すみません、心の中の井之頭五郎が出てきてしまいました。
必ず食事を入れるというこだわりを感じる。食べるの大好きな僕としてはとてもありが鯛。
第6旅 真夏の大冒険旅!
北ルートは疲れたからバスで帰るって。最高。こうあるべきだよね。したいようにするべき。
遊びなのに先に目的を決めちゃうと、そこに固執して本質を見落としてしまう気がする。
コンビニのおにぎりを同じ種類で2個買ってもいい、みたいな視点は大事にしたい。
わっぱ煮、焼いた石を入れるらしい、面白いね。
褐色娘成分、作者が分かり手すぎるだろ。敏感に読者のニーズを汲み取っている。
電動レンタサイクル! 北ルート踏破と快適性のアウフヘーベン。
アンケートがGoogleフォームに変わっててうける。謎変更。Googleフォーム募集じゃ3800件も来ないだろ。
渋谷回。旅アニメなのに都内。珍しい。
こいつらアニメキャラだから髪色とか派手だけど、渋谷だとよくいるレベルだから馴染むな。
渋谷横丁は意外と行ったことないな。パンケーキたべてる。僕も前に渋谷でパンケーキ食べたな。てかあれ、それここか? 違うな。ほぼ原宿まで来てるもんな。代々木公園。明治神宮。僕は原宿ではカルボナーラうどんを食べた記憶がある。クレープは逆張りして食べていないかもしれない。
たくさんくすぐってて良い。くすぐりはいいぞ。
都庁ね〜。一回遊びに行ったことあるな。そのあと友達がデートで都庁の夜景見に行った話聞いてから、なんとなくノイズでわざわざ行きにくくなったな。
第7旅 神様と出会える街? そして…
三重県伊勢湾に行くらしい。僕も主人公チカと同じく北は結構行ったことあるけれど、西に行ったことはほぼ無いから参考になるかも。
飛竜頭(ひりょうず)。名前かっこいい。がんもどきのことらしい。
リリさん、お酒飲んでないと落ち着いた声とテンションで大人のお姉さんって感じでいいな。好きになっちゃう。ちょろいので。
上の感想思ってたら主人公もまったく同じこと心の声で喋りだして死ぬ。無理すぎる。完璧に見抜かれている。作者の手のひらの上で転がされている。
伊勢神宮。来ただけで大吉だからおみくじ無いらしい。バカ理論でうける。褒めています。
赤福餅!!! これ大好き。嬉しいお土産ランキングTierS。
鳥羽だ! 鳥羽水族館に行きたくてちょっと前に調べたことがある。
リリさん。やっぱりおっとり落ち着いてて髪さらさらで長くて酒大量に飲む女、最高なんだよな。
リリさんみたいな人、人としても面白いし案外超仲良くなれたりするんだけど、最終的にお互い自立できるタイプだからか、意外と長い付き合いにはならないんだよな。こっちから連絡しないとふらっといなくなるイメージ。まあそういうところもミステリアスでいいのかもしれない。なんの話?
鳥羽行ったのに鳥羽水族館行かないんだ。鳥羽水族館にはラッコがいるよ。
突然のちょいホラー展開と赤福氷。どっちも冷えてます。
次は深夜バスの旅か。主人公チカと後輩ユイと師匠ふゆ姉の三人旅。ユイちゃんとふゆ姉は面識ないのに気まずくないんか?
ドリームスリーパーっていうバスらしい。1人20000円!? たっか。
超快適そうな個室バスすごい。こんなのあるんだね。高い値段だけある。
第8旅 女子三人寄って睦まじい
深夜バスは朝に旅先に着いているのがいいな。宮島行くって。
あなごめし、美味そう。早々に飯ノルマだ。
ふゆ姉の感覚をユイが翻訳。新しいチームプレー。
緊張と緩和について語っているけど、アニメキャラが作品構造について語っているので自己言及的になっている。
厳島神社。宮島にも鹿いるんだ。奈良の専売特許かと思ってた。
88箇所の砂があるからここ回れば全部回ったことになるらしい。ルールの穴というか、なんというか……。こういうのって効率化していいんだ。砂巡りRTA。
ご飯ノルマ2、揚げもみじ饅頭。
引き潮なら大鳥居近くまで行けるんだ。潮って面白い。
明日は呉(くれ)らしい。読めん。魏呉蜀の「ご」かと思った。
旅先で遅延することも楽しめたら最高の思い出。このくらいの余裕を持っていきたいね。
漫画より作者自身の方が面白いって褒めてるのか貶してるのかわからんな。悪いことじゃないけどね
でもたしかに作者の異常な熱量とか感情が入ってるのがわかる作品は面白いよね~。創作者は尖っていれば尖っているほど良い。
艦船めぐり。艦これ、懐かしいな。中学の担任の先生が、それまでおくびにも出していなかったのに僕にだけ艦これの話題を話してきたのいまだに覚えているからな。同族の匂いを嗅ぎ分けてくるな。
ご飯ノルマ3、テッパンカレー。観光地ってどこ行ってもご当地カレーあるよな。カレーの器は広いな。いや、カレーの容器が広いという話ではなくて。あぁもう、ややこしいな。
ユイ「旅に行ってみようという気すらもともとなかった」←わかる。よく言った。インドア派の意見。
ふゆ姉、ウインク逆では? 片目隠れでウインクすると目瞑ってるようにしか見えないんじゃ?
尾道。こいついつも階段登ってるな。ご飯ノルマ4、尾道ラーメン。ご飯多すぎだろ、嬉しいけど。
主人公が漫画家というメタ構造の回収だ!
まずは読み切りからなのも、アンソロの残り1枠やらない? っていうのも絶妙にリアルだな。
第9旅 温泉で完成して、初日の出
また北へ。八甲田山。
一人旅回はほぼ孤独のグルメと構造が同じ。飯と温泉ばっかり、でもそれで良いよ。
「自分と温泉の境界がわからなくなる感覚」 ←好きな表現。どこまでが私で、どこからがあなたか。どこまでが夜で、どこからが友達か。なんてね。
「料理名(優勝)」 ←ツイッタラーすぎる。何万回もこの手のツイートをした覚えがある。恥の多い人生を送ってきました。
帰ってネーム作業。扇子に「やりますねぇ」の文字が。安易に要素を入れるな。あとで後悔するぞ。
そういえば外と家で髪型は違うのに顔は変わらんの不思議だよな。アニメにはメイクという概念がない。
アンソロタイトル『ドールズバトルフロント』。完全にドールズフロントラインが元ネタだ。露骨に作者の癖が出てるな。
ご飯ノルマ、かつお茶漬け。
年明け入試をいじってくる先輩、実際にいたらウザさしかない。
本州最南端での初日の出か〜。朝弱いから日の出自体ほとんど見たことないな〜。
チカ「年末年始に時間ある大学生で良かった〜」 ←お盆に時間あるのに外出てない大学生こと俺に刺さるのでやめてほしい。
主人公にとって「旅=インプット」なんだよな。僕は、良いアウトプットというものは大量のインプットに支えられていると思っている。
潮岬灯台。こういう科学館みたいな施設、楽しい(小並感)。
夕焼けのカット、顔がいい。
「星、すご。いつもあるはずなのに、見えてなかったのか」
含蓄のある言い回し。
そして初日の出。夕焼けとの対比構造になっている。
第10旅 ココロのふるさと
熊野本宮大社へ。ご飯ノルマ、もうで餅。ネーミングがちょっと面白い。
二人旅。はっすーの元気がない。
岩手県、イーハトーブ花巻。宮沢賢治。彼女らはあまり詳しくないようだが、僕は一応『銀河鉄道の夜』の初稿にはブルカニロ博士がいたことくらいは知っています。
『注文の多い料理店』の山猫軒も行きたいな〜。
良い友人関係。
「私はこの先どうなりたいとか無かったからさ」 ←大体の大学生はあなたと同じです。
え、はっすー小学校の先生目指すの? 宮沢賢治がもともと教師だったからわんちゃんそっちの話の方向に行くかとは思ってたけど、急展開ではある。はっすー教師向いてそうだからいいか。
一応教職取りながらほかの道も目指せるよ?
ご飯ノルマ、焼きプリン大福。からの10段ソフトクリーム! すごーい! これどうやって作ってるんだろう。バイキングとかにあるソフトクリーム機で無双できちゃう。
温泉ノルマ、大沢温泉。ついでに旅館で飯ノルマも達成。
はっすー、いい景色と美味しいご飯で気持ちが前に向く自分のことを「単純だな~私は~」って言っているけれど、僕はいい景色がなくても美味しいご飯だけで機嫌が良くなるので、はっすーの2倍は単純かもしれない。単純さで人生だいぶ楽をしている感覚がある。
近い友人がすごいことをしたときの、嬉しさと不安。わかるといえばわかるし、わからないといえばわからない。最近はもう、そういうすごい友人が周りにいることを素直に嬉しく思えるようになっている気がする。僕のことを高く評価してくれる友人らがまわりにたくさんいるということが、僕自身に余裕を持たせてくれているのだと思う。友人に感謝〜〜。
ご飯ノルマ、満州ニララーメン。
中尊寺。「むしろ閉まっててほしい」 ←はた迷惑でうける。あとここのチカの顔あざとすぎる。
第11旅 師匠と片参り
寝台特急サンライズ瀬戸・出雲というらしい。寝台列車に乗ったことないな。寝ていけるのもいいし、なにより個室なのがいい。これいいな、わりとマジで乗ってみたい。
アンケートは中国・四国地方だって!
珍しい。そして僕自身も行ったことのない地方なので、極めて興味がある。
シングル個室、東京→出雲で23000らしい。やっぱりそれなりにするな。
師匠と二人旅。前回のはっすー悩み回に続き、今回は師匠悩み回?
それはそれとして、師匠のビジュ好きすぎるんだよな。片目隠れは正義。
廃線路歩きからのご飯ノルマ、のどぐろ丼としじみ汁セット。美味しそ〜!
出雲大社着いた。しめ縄でっか。出雲大社って海が近いんだ。知らなかった。
しれっと宿で温泉ノルマ達成。
主人公、マルマンのスケッチブックだ。僕が日常でスケッチブックを目にする機会が少ないからか、最近はもう大喜利で使われてるイメージのほうが強くなってきたな。
松江城とやら。城、わからん。日本、わからん。世界史選択の弊害。
ふゆ姉、一晩で24ページのネーム仕上げてるのバケモンすぎる。
丁寧なフリからのバス間違えオチ。様式美。
第12旅 旅はざつでいい、ざつがいい
島根県美保関、美保神社。
リリちゃんとの邂逅。ふゆ姉の漫画読んですっ飛んで来たとか行動力の鬼か?
すごくいい場面のはずなのに、テーマが「クリームシチューにごはんをかけるか否か」なの、締まらないな。その分、ゆるりと安心して見られるからこれでもいいのかな。
ロマンチストリリちゃん。ツンデレ女子の照れの部分。よきかなよきかな。
なるほど、ここで少女漫画家であることも効いてくるんだね〜よくできた構成。
ご飯ノルマ、美保関カレー。お前らはそうやってすぐ地名+カレーを作るんだから。
連載作家さんの休載で、特別読み切りとして雑誌に載るハッピーエンド。
ゆるりとしてて、観やすくて、それだけでも充分良いアニメなのに。
これまでの「ざつ旅」が先行テクストとなって、この主人公の書いた特別読み切り漫画の内容が、そこに描かれている内容以上に視聴者の中に入ってくるようになっている。いい構成~~〜!!!
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