オブジェを買った。
自分の部屋に彩りがないので、なにか置いてみようと思い、はじめてオブジェを買った。

なんのオブジェなんだろう。うさぎ? キツネ? と思って確認すると、「シカ」と書いてあった。嘘すぎる。
モノクロ+赤青黄のコンポジションみたいな色味が好みで選んだのだけど、これって青が抜けるとドイツ国旗の色だ。意図せずドイツ文学科の一面を発揮してしまった。そんなことないか。
そのまま飾っても悪くなかったけど、もうちょっと工夫がしたい気分だったのでディスプレイについてYoutubeを観て学んだ。とにかくなにかの上に乗せるのが良いらしい。

その辺にあった本に乗せてみたらたしかに案外いい感じになった気がする、嬉しい。
むかしに美術館で買ったエゴンシーレの画集。結構厳しめのドイツ人教授の講義で扱った『キリンの首』。あのとき神田古本まつりで買ったきり読み返していなかった武蔵野美術大学の画集。もうどれも出番はないかと思っていたけど、意外なところで力を発揮してくれた。昔買った変なものが、今買った変なものを助けてくれている。それは純粋に喜ばしいことだと思う。
でもそのエゴンシーレの画集たちがどう思っているのかを考えると、難しい。複雑な気持ちだ。僕はその画集たちではないから本意はわからないけど、やっぱりそれなりの苦しさがあるんじゃないかとか思ってしまう。どこまで考えればいいんだろう。どこからは考えないほうがいいんだろう。
もし自分がその上に立つ新しいシカのオブジェだったとして、僕はその画集たちのことをどう考えればいいんだろう。なんだか申し訳ないような気持ちがするし、かといって今いる(あるいはこれからの)その場所をだれにも譲りたくない/奪われたくないという気持ちもつよくあると思う。それはとても重く。
そもそも新しいシカのオブジェは新しいので、昔の画集たちのことを考える必要なんてないという考えもあるかもしれない。でも僕は、昔の画集が新しいシカのオブジェを(たとえ間接的にだとしても)助けてくれているという側面がある以上、昔の画集に対してもある程度の尊重をするべきなのではないかとも思っている。いろんな視点と思惑が絡まると、ただしさが揺らいでむずかしい。
はじめてフラワーベースも買った。
立方体が斜めに立つデザインになっていて、変でかっこいい。

なにを生けるかはまだ迷っている。でもきっと素敵になると思う。

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