ミッションのためにプロローグ編だけやって、ドライツェーン編を放置している人はすぐにやったほうがいい。
前作もストーリーはあったし、前作は前作でよかったけど、今作のストーリーはその比じゃなかった。ドライツェーン編はほぼノベルゲームをやっている感覚。こんなのが無料で楽しめてしまっていいんですか??!?俺に感想を書かせてください。
※注意:以下ストーリーのネタバレを含みます※
【プロローグ】

時間軸が逆行している点が特徴的なシナリオ。
宴1000日目を先に魅せられ、その後徐々に過去へさかのぼることで、ドライツェーンとタヌキがこの宴を繰り返していることが示される。
シナリオ構成が普通に上手い。先にインパクトのある絵を魅せながら読者側には謎を提示する手法は、アニメや漫画の一話目などによくみられる構成であり、読者がストーリーを読み進めるための推進力を適度に与えて……

えっっっっ!?!!?!

えっっっっっっっっっ!?!?!!?!?!!!!

うわああああああ~~~~~っっっっっっっっっっっっっっ!?!!!??!!!?!!!
なんですかこのミステリアスお姉さん。聖職者のような風貌から発せられるテキトーで遊びのある意地悪な言葉たち。完全に癖(へき)を狙い撃ちしに来ている。好きになっちゃうよ~~~。
あと声の透明度が半端ない。声優さんすごい。公式ASMRとか出してくれませんか????
【ドライツェーン編】

シャドバストーリーの真骨頂はここから。ドライツェーン編ではプロローグの前日譚が描かれるんですけど、なにがやばいってまず最初から……

銃がいきなり話しだした!?!?!
どうやら彼女?は兵装60と言うらしい。全然理解は追いついていないが……
【ニア】


なんというか、苦しいよ~~~~~~。

機械のはずなのに自分より下がいて嬉しがっちゃう部分とか、めちゃくちゃ人間じゃん。要所要所でこちら側を刺してくる。
そして兵装60が強すぎる。ニアの工場ごと殲滅して、普通にニア撃ち殺しちゃった……


苦しいよ~~~~。
ニオ、諸悪の根源という感じが全然しない。


対話したかったドライツェーンは不服そうにしてるけど、撃つ選択を取ったからドライツェーンが生きてるわけで、撃ったこと自体は実際結構正しいとも思ってしまい……う~ん難しい。
なんかこれも人間側の悩みって感じだな。選択ってなにかを選ぶことだけど、それは同時にそれ以外を捨てているってことでもあるんだよな……
【フィーラ】

ドライツェーン目線だと、フィーラは邪知暴虐で悪逆非道の狂った機械。実際やってることは相当やばい。独裁監視国家。
でもフィーラ目線に立ってみると、見え方が変わるかもしれないとも思った。重要なのはニアやフィーラは命令に反逆しているわけではないという点だ。


機械としてしっかりと命令に従って動いた結果、ディストピアを作ってしまった。
これでニアやフィーラが悪者だと決めつけることは僕にはできない。
彼らは彼らなりに、最善の選択をしてきただけなのだ。でも彼らには「心」がないし、どれだけ計算したところで人間のいう「心」を理解することはできない。
もともと「心」を理解できないように創られてしまっているから。

こんな状況でだれがニアとフィーラを責められる?こいつらもこいつらで被害者なんじゃないのか?
【博士】
では、彼らを作った博士が悪者なのか?
というかそもそも博士ってだれ?

……ベ、べべべ、ベルフォメットぉぉぉ!?!!?!!!!!
前作プレイ勢はここでもう二段階ほどテンションがぶち上がり、ゲーミングチェアに座り直し、Twitterに「ドライツェーン編やばすぎて椅子から転げ落ちた」「横転」とつぶやいたことは言うまでもない。

そして前作では悪役として立ちふさがったベルフォメットだが、今回彼の過去を覗き見てみると、彼ももとは心優しい研究者であったこともわかる。


……そう。この話のすごいところは、本当の意味で悪い登場人物は誰一人としていないのにもかかわらず、結果的に最悪の結末を迎えていることなのだ。

救いがないよ~~~。どうしようもないよ~~~~。
そして、ここからドライツェーンがなにかを起こしたとしても、すべてはもう終わっていること。
なにも変わることはない。ほんとに救いがないよ~~~~~。
……プロローグ後すぐこんな重い話で大丈夫なんですか???
【エン】

途中から急に出てきた。だれ???
別に嫌いとかじゃないんですけど、急に知らないキャラが出てきたのでびっくりしました。ほまにだれ????
戦闘を仕掛けてくる感じでもなかったから、ここでドライツェーンが「対話」でどうにか解決するのかと思いきや……

ドでかいロボになって襲ってきた。デカすぎんだろ……
…………だれがなにになったの?????
【エウメニデス】

兵装60のほんとうの名前であり、この物語の一番のキーパーソン。
ドライツェーンの名付け親でもある。ちなみにドライツェーンはドイツ語で13の意です。dreizehn。
命名規則に沿ったトレットンはスウェーデン語で13の意。tretton。
序盤からドライツェーンの身体を操ったりニア撃ち殺したりしてて、兵装60の自我強いな~となんとなく思っていたが、それは彼女が「心」を持っているからだと判明したときはさすがにほくほくした。ずっとドライツェーンを護ってくれてありがとうな。


※注意:以下ストーリーの重大なネタバレを含みます※
【パスワード「一番大事な家族」について】


なんだこの演出!??!!?!?熱すぎる~~~~~~!!!!!!!!!
ここまで読んでればもちろん答えは一択!!!!!!!!

パスワードは「ドライツェーン」!!!!!!!!!!!!!

承認申請!!!!!!!!!!!!!

……ん????
なにかが様子がおかしい。強烈な違和感。

も、も、もう一段階上のパスワードがあるぅ~~~~?!??!?!???
え、なんですかその演出。熱すぎる。そっちが気になりすぎて一週目のストーリーも良いのに全然入ってこなくなっちゃうんだが。
【ほんとうのパスワードについて】
もう一段階上のパスワードってなんだ。
ヒントは「ベルフォメットは名前を大事にする」……???
一旦登場人物の名前一覧をみてみよう。

うーむ……。「ドライツェーン」はさっき入れたし、「エウメニデス」は彼女自身の名前だし、「ニア」「フィーラ」「エン」も家族ではあるけど一番ではないだろうし……。博士である「ベルフォメット・アーデライト」は彼ら全員の生みの親だから、そういう意味ではたしかに重要な家族だけど……
ん????

あれ??なんでこいつだけフルネームなんだ……???
「ベルフォメットは名前を大事にする」……フルネーム……家族……
はっ!!!!もしかして!!!!!!!

パスワードは!!!!!!!!!

「ドライツェーン・アーデライト」!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

これは……!!!!!!!!!!!!!!

すごい!!!どんどん上昇していく!!!!!!!!

じゅ、100000倍~~~~~!??!!?!!?!!!?!

いっけぇぇぇ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!

発射!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

……ドライツェーンの出力100000倍の発射と同時に
俺の脳内ドーパミンも出力100000倍で発射された…………
最後のパスワードにたどり着いた瞬間の高揚感。
脳内に押し寄せる許容量をはるかに超越した快楽物質の波。気持ち良すぎる……
【表題:人間と機械は家族になりえるのか】
ドライツェーン編は、ドライツェーン、エウメニデス、ベルフォメット、ニア、フィーラ、シン、彼らの物語でありながら、前作の内容を知っている読者にとっては彼らだけの物語に留まらない。
前作の「心持つ機械」。モノ、テトラ、エンネアら姉妹の「家族」までもが壮大な伏線となった問い。
「人間と機械は家族になりえるのか」
その答えとして示されたのは
我々すべての存在は「心」を介することで「家族」になる
ということだった。
カードゲーマーに「心」の大切さまで教えてくれるシャドウバース。最高のゲーム。
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